ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
ショートホームルームが終わってすぐ、私は目の前の肩をぐいっと引いた。
「ーー優希ちゃんッ!」
「おお? ああ、転校生ちゃん。どうした……」
「ルキくんは?!」
いきおいよく乗り出したものだから、優希ちゃんが少し驚いた顔をしている。
「……ルキくん?」
「黒羽ルキくん! このとなりの席で、カッコよくて、女子から人気の王子さま!」
「やっだぁー、樹里ちゃんって面白いね! 夢見てるところ申し訳ないんだけど、残念ながらそんな王子はうちの学校にいないよー」
あははと笑う優希ちゃんを見て、力が抜けた。すとんとイスに腰が落ちて、意気消沈する。
初めからルキくんの存在はなかったかのように、みんなは普通に過ごしている。
……どうして?
純血の女神が消えて、私が生き残ったことがいけなかったの?
それとも、それすら夢のなかの話だと言うの?
誰かの足が視界に入った。くるんとした髪をふわっとさせて、ツンと唇がとがっているのは、芦屋笑里。
よそ者と言って、嫌がらせばかりをして来た子だ。白川村から早く出て行けって……。
「ーー優希ちゃんッ!」
「おお? ああ、転校生ちゃん。どうした……」
「ルキくんは?!」
いきおいよく乗り出したものだから、優希ちゃんが少し驚いた顔をしている。
「……ルキくん?」
「黒羽ルキくん! このとなりの席で、カッコよくて、女子から人気の王子さま!」
「やっだぁー、樹里ちゃんって面白いね! 夢見てるところ申し訳ないんだけど、残念ながらそんな王子はうちの学校にいないよー」
あははと笑う優希ちゃんを見て、力が抜けた。すとんとイスに腰が落ちて、意気消沈する。
初めからルキくんの存在はなかったかのように、みんなは普通に過ごしている。
……どうして?
純血の女神が消えて、私が生き残ったことがいけなかったの?
それとも、それすら夢のなかの話だと言うの?
誰かの足が視界に入った。くるんとした髪をふわっとさせて、ツンと唇がとがっているのは、芦屋笑里。
よそ者と言って、嫌がらせばかりをして来た子だ。白川村から早く出て行けって……。