ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「あ、あの……? それって、どういうこと?」
「こういうこと」
ぐいっと腕を引っ張られ、ルキくんの胸に引き寄せられた。
えっ、ええ?!
頭の中が真っ白になって、心臓の音がもれるほどうるさく響いている。
「なっ、なに?!」
「このままじっとして」
状況に頭が追いつかなくて、言われた通り停止する。と言うか、足が固まって動けない。
行き場のない手も宙に浮いたままで、これはどうしたらいいの?
いきなり抱きしめられて、意識するなっていう方が無理だよ。心臓の速さがこのうえなくすごい。
私を腕の中に抱えながら、ルキくんが一歩下がった。
「お前、だれ? そこにいるのは分かってる。出て来なよ」
何かに呼びかけているみたいだ。人なんて会わなかったけど、誰かいるの?
腕のすき間から視線を向けるけど、人の気配はない。意味もなく不安になって、広い背中にギュッとしがみつく。
そのうちに、足音が聞こえて来た。後ろから、誰か歩いてくるのが分かる。
強く締められていた腕が、そっと離れた。体は寄せたまま、私もゆっくり振り返る。
「キミ……」
「こういうこと」
ぐいっと腕を引っ張られ、ルキくんの胸に引き寄せられた。
えっ、ええ?!
頭の中が真っ白になって、心臓の音がもれるほどうるさく響いている。
「なっ、なに?!」
「このままじっとして」
状況に頭が追いつかなくて、言われた通り停止する。と言うか、足が固まって動けない。
行き場のない手も宙に浮いたままで、これはどうしたらいいの?
いきなり抱きしめられて、意識するなっていう方が無理だよ。心臓の速さがこのうえなくすごい。
私を腕の中に抱えながら、ルキくんが一歩下がった。
「お前、だれ? そこにいるのは分かってる。出て来なよ」
何かに呼びかけているみたいだ。人なんて会わなかったけど、誰かいるの?
腕のすき間から視線を向けるけど、人の気配はない。意味もなく不安になって、広い背中にギュッとしがみつく。
そのうちに、足音が聞こえて来た。後ろから、誰か歩いてくるのが分かる。
強く締められていた腕が、そっと離れた。体は寄せたまま、私もゆっくり振り返る。
「キミ……」