ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
チリチリとウェーブのかかった髪の少女が、黙ったままこちらを見ていた。
目つきは鋭くて、まるで獲物をにらみつける狼のよう。
「何しに来た?」
ルキくんの問いかけにも、微動だにしない。
この子、なんだろう?
「誰だ、そいつは」
氷のように冷たい声。感情がないような話し方。
ルキくんは、私を背中へと隠して一歩前へ出る。
「俺のクラスメイト。仲間だよ」
「ナカマ……」
そうつぶやいたとき、敵意を示していた目が少しだけゆるんだ。その表情は、まだあどけない幼さがあって、中学生くらいの女の子に見える。
何も言わずに、その子は草むらの中へと消えて行った。
一瞬だけ、ルキくんを見る目が切なくなったように感じたのは、思い過ごしだったのかな。
ぐいぐいっと腕を揺らすと、ルキくんが少し戸惑った顔をした。
「あの子はミーナと言って、この前知り合った。うちとは昔から……犬猿の仲の部族だ」
「……ぶぞく?」
聞き慣れない単語に首をかしげる。
「宗教……みたいな意味合いだよ。先祖代々から、あそことは……仲が悪い」
あまり詳しくは話したくなさそうに、また目をそらされた。
ルキくんはそう言うけど、さっきの子のルキくんを見る目……あれは、きっと。
「とりあえず、家入って」
そのまま流されるように、私は屋敷へと誘導された。
少しだけ、ほんの少しだけだから。疑問よりも、そんな自分の好奇心が勝ってしまった。
目つきは鋭くて、まるで獲物をにらみつける狼のよう。
「何しに来た?」
ルキくんの問いかけにも、微動だにしない。
この子、なんだろう?
「誰だ、そいつは」
氷のように冷たい声。感情がないような話し方。
ルキくんは、私を背中へと隠して一歩前へ出る。
「俺のクラスメイト。仲間だよ」
「ナカマ……」
そうつぶやいたとき、敵意を示していた目が少しだけゆるんだ。その表情は、まだあどけない幼さがあって、中学生くらいの女の子に見える。
何も言わずに、その子は草むらの中へと消えて行った。
一瞬だけ、ルキくんを見る目が切なくなったように感じたのは、思い過ごしだったのかな。
ぐいぐいっと腕を揺らすと、ルキくんが少し戸惑った顔をした。
「あの子はミーナと言って、この前知り合った。うちとは昔から……犬猿の仲の部族だ」
「……ぶぞく?」
聞き慣れない単語に首をかしげる。
「宗教……みたいな意味合いだよ。先祖代々から、あそことは……仲が悪い」
あまり詳しくは話したくなさそうに、また目をそらされた。
ルキくんはそう言うけど、さっきの子のルキくんを見る目……あれは、きっと。
「とりあえず、家入って」
そのまま流されるように、私は屋敷へと誘導された。
少しだけ、ほんの少しだけだから。疑問よりも、そんな自分の好奇心が勝ってしまった。