ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「おじゃま……します」
一歩足を踏み入れて、広すぎる玄関に緊張が背筋を走る。本物のお城だ。
シャンデリアがぶら下がるリビングのようなところへ通された。縦長のテーブルと、気品あふれる椅子が並んでいる。
知ってる。マンガや映画で見たことがある。まるで西洋の貴族が住んでいる部屋そのものだ。
「お疲れさまです」
オシャレなティーカップと紅茶を持った影楼先生が、部屋へ入って来た。
学校で着ていたスーツというより、後ろ側のすそが2つに分かれてとがっている。執事が着る服に似ている。
影楼先生が紅茶をそそぐ音だけが部屋に響く。
この状況は、一体なに?
「カゲ、もう下がっていいよ」
「かしこまりました、ルキ様」
丁寧なお辞儀をして、影楼先生が出て行った。
カゲ? ルキ様?
腕を組む姿は、どこかの坊ちゃんか王子様。ちょっと理解が追いつかない。
「……なあ」
「……あの」
同時に重なる2つの声。お互いに黙り込んだから、「先、どうぞ」と発言権をゆずった。
「今日は屋敷に泊まれ」
「ゴホッーーゲホッーー」
飲んだ紅茶でせき込む。そのいきおいで、少し吹き出してしまった。
何を言うかと思ったら、気でもおかしくなった?
あきれた顔のルキくんが「カゲ」と口にすると、どこからかタオルと霧吹きを手にした影楼先生がやって来た。
一歩足を踏み入れて、広すぎる玄関に緊張が背筋を走る。本物のお城だ。
シャンデリアがぶら下がるリビングのようなところへ通された。縦長のテーブルと、気品あふれる椅子が並んでいる。
知ってる。マンガや映画で見たことがある。まるで西洋の貴族が住んでいる部屋そのものだ。
「お疲れさまです」
オシャレなティーカップと紅茶を持った影楼先生が、部屋へ入って来た。
学校で着ていたスーツというより、後ろ側のすそが2つに分かれてとがっている。執事が着る服に似ている。
影楼先生が紅茶をそそぐ音だけが部屋に響く。
この状況は、一体なに?
「カゲ、もう下がっていいよ」
「かしこまりました、ルキ様」
丁寧なお辞儀をして、影楼先生が出て行った。
カゲ? ルキ様?
腕を組む姿は、どこかの坊ちゃんか王子様。ちょっと理解が追いつかない。
「……なあ」
「……あの」
同時に重なる2つの声。お互いに黙り込んだから、「先、どうぞ」と発言権をゆずった。
「今日は屋敷に泊まれ」
「ゴホッーーゲホッーー」
飲んだ紅茶でせき込む。そのいきおいで、少し吹き出してしまった。
何を言うかと思ったら、気でもおかしくなった?
あきれた顔のルキくんが「カゲ」と口にすると、どこからかタオルと霧吹きを手にした影楼先生がやって来た。