ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「では、まいりましょうか」
キチッとスーツを着こなした影楼先生が、ピカピカの黒い車のドアを開ける。
すっかり忘れていた。先生って、黒羽家の執事だったんだ!
なにくわぬ顔で、堂々と乗り込む黒羽兄弟。これが彼らの日常なのね。待っている影楼先生に軽く頭を下げて、彼らのあとに続いた。
なんだろう……この状況。影楼先生の運転で、黒羽兄弟と登校しているなんて。
「ルキさぁー、どういうつもり? 昨日、女の子が泊まってたなんて知らなかったんだけど?」
いじっていた髪をピンッと弾いて、ノエルくんが私を指差す。
「カゲも承知してる」
運転席から、「はい」と返って来た。
「ふーん、ボクには厳しいのにねぇ」
女の子顔負けの愛らしい顔が不機嫌そうになる。
よく見たら、肌の透明感がすごい。くりっとした瞳は人形並みで、さらさらの金髪はおとぎ話から出てきた王子さまみたいだ。
「ジュリちゃん、そんなに見つめられたらダメだよ? 白川村はケモノが多いから、喰われないように気を付けてね?」
近付いてきたノエルくんの口を、思わず押さえた。なぜか反射的に、脳がそうしろと言っていたから。
ーーいきなり噛み付いたりしないから、だいじょうぶだよ。
変なことを思い出しちゃった。
キチッとスーツを着こなした影楼先生が、ピカピカの黒い車のドアを開ける。
すっかり忘れていた。先生って、黒羽家の執事だったんだ!
なにくわぬ顔で、堂々と乗り込む黒羽兄弟。これが彼らの日常なのね。待っている影楼先生に軽く頭を下げて、彼らのあとに続いた。
なんだろう……この状況。影楼先生の運転で、黒羽兄弟と登校しているなんて。
「ルキさぁー、どういうつもり? 昨日、女の子が泊まってたなんて知らなかったんだけど?」
いじっていた髪をピンッと弾いて、ノエルくんが私を指差す。
「カゲも承知してる」
運転席から、「はい」と返って来た。
「ふーん、ボクには厳しいのにねぇ」
女の子顔負けの愛らしい顔が不機嫌そうになる。
よく見たら、肌の透明感がすごい。くりっとした瞳は人形並みで、さらさらの金髪はおとぎ話から出てきた王子さまみたいだ。
「ジュリちゃん、そんなに見つめられたらダメだよ? 白川村はケモノが多いから、喰われないように気を付けてね?」
近付いてきたノエルくんの口を、思わず押さえた。なぜか反射的に、脳がそうしろと言っていたから。
ーーいきなり噛み付いたりしないから、だいじょうぶだよ。
変なことを思い出しちゃった。