ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
 午前の授業が終わり、生徒たちは食堂へと移動を始める。

 なるべく離れるなと言われているけど、昼食は優希ちゃんと一緒がいいと断った。

 金魚のふんのようにルキくんにくっ付いていたら、いつ女子から火矢(ひや)が飛んでくるか分からない。

「例の連続通り魔事件、なかなか犯人捕まらないよね。証拠も不十分だって言うしさ。気持ち悪い事件だよね」
「……うん」
「次は白川村(うちら)だって騒いでる人もいてさ。シャレになんないよね」

 あとで分かったことだけど、事件の場所は白川村を囲むようにした近隣町だった。みんなが怖がるのは、無理もない。

 だから、私と関わりたくないと避ける子がより多くなった。

「先に食堂行って、場所取ってるね」
「よろしくね! すぐ行くから」

 手を振って、優希ちゃんの背中を見送る。
 三上先生から呼び出されて、食堂へ行く前に職員室へ寄ることになった。

 何か注意されるようなことしたかな?

 それとも、最近の学校生活はどうですかって、面談でもされるのかな。
< 56 / 158 >

この作品をシェア

pagetop