ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「ちょっと、気になって。クラスメイトに、よそ者だって言われるので」
「ああ、そうねぇ。この村には、いくつかの伝説が残されているの」
「1つじゃないんですか?」
ゆっくりうなずいて、三上先生が続ける。
「親、祖父母、その前の世代から受け継がれて、本来伝わるべきものと違うものになってしまうことがある」
奥の司書室から、年期の入った新聞を持って来てくれた。300年近く前の記事もある。
「先生……これ!」
その中に、見覚えのある文章を見つけた。
ちょうど感染症が流行って、人々を苦しめていた時代。多くの人の首筋に2つの噛み跡が残っていたと記載されていたのだ。
助かった人の証言で、そのあたりの記憶がないと印されていることも、今回の事件と似ている。
「連続通り魔とそっくりです! これ、犯人はどうしたんでしょうか? まさか……模倣犯?」
「300年も前の記事よ? 現実的じゃないわね」
「……そうですよね。考えすぎかな」
なにか掴めると思ったのに。ガクッと肩を落とす。
あれ以来、通り魔刺傷事件はパタッと起きなくなった。ノエルくんが言うように、次の標的が私なのだとしたら辻褄が合う。
ふとある文字に目が止まった。
この頃、ヨーロッパあたりでよく耳にするようになったと言われる吸血鬼が、日本でも目撃された……と。
「ああ、そうねぇ。この村には、いくつかの伝説が残されているの」
「1つじゃないんですか?」
ゆっくりうなずいて、三上先生が続ける。
「親、祖父母、その前の世代から受け継がれて、本来伝わるべきものと違うものになってしまうことがある」
奥の司書室から、年期の入った新聞を持って来てくれた。300年近く前の記事もある。
「先生……これ!」
その中に、見覚えのある文章を見つけた。
ちょうど感染症が流行って、人々を苦しめていた時代。多くの人の首筋に2つの噛み跡が残っていたと記載されていたのだ。
助かった人の証言で、そのあたりの記憶がないと印されていることも、今回の事件と似ている。
「連続通り魔とそっくりです! これ、犯人はどうしたんでしょうか? まさか……模倣犯?」
「300年も前の記事よ? 現実的じゃないわね」
「……そうですよね。考えすぎかな」
なにか掴めると思ったのに。ガクッと肩を落とす。
あれ以来、通り魔刺傷事件はパタッと起きなくなった。ノエルくんが言うように、次の標的が私なのだとしたら辻褄が合う。
ふとある文字に目が止まった。
この頃、ヨーロッパあたりでよく耳にするようになったと言われる吸血鬼が、日本でも目撃された……と。