ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
隠されたパラムシア
長い眠りから覚めたように、ずっしりと重い体を起こす。見知らぬ草村の中で倒れていた。
手をついたところに、可愛らしい実がなっている。小さな白い花をつけたヘビイチゴだ。
……ここは、どこ?
たしか、モラナの小屋で話していて、手をかざされてからの記憶がない。
夢の中なのか、それともモラナの仕業なの?
辺りを見渡してみるけど、薄暗くてはっきりとしない。
「ルキくーんッ!」
空高く舞い上がって響く声。
木や草花が歌っているかのように、風に乗ってささやく音を出している。
「モラナーッ! イリヤくーんッ!」
夢中で走りながら、もつれる足を前へと進める。
誰もいない。それどころか、人の姿すらない。どこへ来ちゃったの?
さまよっているうち、足先にズキッとした痛みが走る。
「ーー痛ッ」
しゃがみ込んで足の裏を見ると、親指に切り傷が出来ていた。じわっと血がにじみ出ている。
素足だったことに、今気が付いた。
白いワンピースを着て、靴下も靴も履いていない。
手をついたところに、可愛らしい実がなっている。小さな白い花をつけたヘビイチゴだ。
……ここは、どこ?
たしか、モラナの小屋で話していて、手をかざされてからの記憶がない。
夢の中なのか、それともモラナの仕業なの?
辺りを見渡してみるけど、薄暗くてはっきりとしない。
「ルキくーんッ!」
空高く舞い上がって響く声。
木や草花が歌っているかのように、風に乗ってささやく音を出している。
「モラナーッ! イリヤくーんッ!」
夢中で走りながら、もつれる足を前へと進める。
誰もいない。それどころか、人の姿すらない。どこへ来ちゃったの?
さまよっているうち、足先にズキッとした痛みが走る。
「ーー痛ッ」
しゃがみ込んで足の裏を見ると、親指に切り傷が出来ていた。じわっと血がにじみ出ている。
素足だったことに、今気が付いた。
白いワンピースを着て、靴下も靴も履いていない。