ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「怖がらないで? まだ血が出てる」
いつもより青白く感じる肌。顔の血管が浮き出て見えて、目も血のように真紅をしている。
話すたびに見え隠れする小さな牙に、目を奪われた。
やっぱり、人とは違う。彼らは、血を求める吸血鬼なんだ。
ノエルくんから逃げるように、慌てて走る。足の親指と、手の人差し指がいたずらにうずく。
どくんどくんと脈を打つ指を押さえながら、ひたすらに突っ走った。
ルキくん、ルキくん!
みんな、どこにいるの?
大きな塀の前に差しかかり、速度が落ちる。足も、呼吸も疲れてきた。
お城のような建物の前で体を休める。庭にはバラが咲き、白い壁につたが伸びて巻き付いている。ここって、まさか。
「ジュリちゃん、待ってたよ」
空から名前を呼ぶ声がしたと思ったら、高い塀の上からノエルくんがふわりと飛び降りて来た。
どうして?! さっきまでうしろにいたのに!
塀の角に追い込まれて、私は身動きが取れなくなった。
いつもより青白く感じる肌。顔の血管が浮き出て見えて、目も血のように真紅をしている。
話すたびに見え隠れする小さな牙に、目を奪われた。
やっぱり、人とは違う。彼らは、血を求める吸血鬼なんだ。
ノエルくんから逃げるように、慌てて走る。足の親指と、手の人差し指がいたずらにうずく。
どくんどくんと脈を打つ指を押さえながら、ひたすらに突っ走った。
ルキくん、ルキくん!
みんな、どこにいるの?
大きな塀の前に差しかかり、速度が落ちる。足も、呼吸も疲れてきた。
お城のような建物の前で体を休める。庭にはバラが咲き、白い壁につたが伸びて巻き付いている。ここって、まさか。
「ジュリちゃん、待ってたよ」
空から名前を呼ぶ声がしたと思ったら、高い塀の上からノエルくんがふわりと飛び降りて来た。
どうして?! さっきまでうしろにいたのに!
塀の角に追い込まれて、私は身動きが取れなくなった。