ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「吸血鬼の肌は、特に首みたいな薄い粘膜は敏感なんだよ。気を付けてくれないと」

 素っ気ない感じで、支えてくれていた私の体を降ろす。

 そんなの知らなかった。

 そのままグッと顔を近付けられて、ばっちり目が合う。

「えっ、ちょっとなに?」

 少しずつうしろへ下がるけど、どんどん迫ってくる。
 いくらなんでも近すぎるよ。鼻の頭がくっつきそう。

 どうしよう、心の準備がーッ!
 ぐっと力を込めて、まぶたを閉じたら、ぷっと吹き出す声が聞こえた。

 ぽかんとしてルキくんを見ると、

「さっきの仕返し」

 ベッと舌を出しながら、してやったりの顔をしている。

「で、なに期待してた?」

 からかわれたのだと気付いて、ふつふつと顔が赤くなっていく。

「なっ、なんにも!」

 これじゃあ、恥ずかしくて何も考えられない。
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