あやかし戦記 裏側の世界へようこそ

「お掃除完了ね」

ロリータの女性がそう言っている間、東洋人の女性は子どもたちの鬼と戦っていた。鬼たちが噛みつこうとするのを阻止し、殴り付けたり蹴り上げたりする。

「すげぇ、あの人たち強すぎだろ……」

レオナードが呟き、ヴィンセントも「こういうのに慣れているみたいだよね」と言う。イヅナはただ胸元を強く掴んでいた。二人のような言葉を返せない。この胸に広がっているのはーーー。

「エイモン！コイツらの相手はお前に任せる。さっさとこの雑魚どもの核を撃ち抜いて殺せ。あたしは親玉を始末する！」

東洋人の女性が言うと、木の上から男性が「了解！」と言い銃弾を詰めていく。そして詰め終わると、銃を子どもの鬼たちに向かって乱射し始めた。否、闇雲に撃っているわけではない。鬼たちの一部を狙って撃っている。

肺、耳、膵臓、頭など、場所は様々だったが、子どもの鬼たちは銃弾がその部分を貫通すると地面に倒れて動かなくなった。しかし、一体だけ銃弾を避けて死ぬことがなかった鬼がいた。