あやかし戦記　裏側の世界へようこそ
「よくも俺の家族を殺したなぁ〜！！」

鬼は怒り狂い、拳を振り上げる。東洋人の女性はそれをひらりと交わした。

鬼の力強い攻撃を簡単に東洋人の女性は避けていく。その運動神経の良さに、レオナードとヴィンセントは感心しているようだ。

「ちょこまか動きやがって！」

鬼がまた拳を振り上げ、殴りかかる。東洋人の女性は「ワンパターン攻撃だから、読めてんだよ！」と笑いながら地面を蹴り、攻撃を避ける。しかし、鬼のもう片方の手にはトゲのついた金棒が握られていた。鬼は迷うことなく空中にいた逃げ場のない東洋人の女性の足に金棒を振り下ろす。ぐちゃりと音を立てて、女性の足が両足とも飛んでいってしまった。

「ひっ！」

イヅナがまた悲鳴を上げ、レオナードたちも顔を真っ青にする。遠くに飛んでいった足が地面に落ちる音がした。しかし、両足を失って太ももの辺りから血を流している本人も、彼女の仲間も、涼しい顔をしている。

「雑魚のくせにやるな。でも、匂いで気付かなかったのか？」

東洋人の女性は笑いながら鬼を見つめる。刹那、両足が一瞬で再生した。そして東洋人の女性の爪がどんどん鋭く伸び、頭にはツノが生え、口には牙が現れる。
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