あやかし戦記 裏側の世界へようこそ
東洋人の女性がそう言うと、鬼の顔が怒りに染まっていく。そして、「ふざけんな、このクソ女!!」と鬼が唾を撒き散らした。

「大人しくすれば、実験台になれ?毒を仕込む?誰がお前なんかに従うか!死ね、クソ女!!」

鬼がまた攻撃をしようとし、「あ〜あ、実験台が手に入ると思ったのに」と東洋人の女性は残念そうに言う。そして、彼岸花の髪飾りの中から手のひらサイズほどの太くて長い針を取り出した。そして、鬼からの攻撃を避けながらその針を突き刺す。

「痛ッて!」

鬼が手を引っ込め、東洋人の女性はニコリと笑う。次の瞬間、鬼の口から血が吹き出した。体の色が変色し、何が起きているのかわからない様子の鬼に、東洋人の女性はニコリと笑って言う。

「言っただろ?あたしは毒の研究をしてるって。苦しいよな?あんたの体の中の内臓全てが破裂してるんだから。だから死なせてやるよ」

東洋人の女性はもう一度針を手にする。そして、「さよなら、怪物さん」と笑顔で言いながら鬼の左目に突き刺した。鬼が声にならない悲鳴を上げ、死んでいく。その様子を、イヅナは体を震わせながら見ていた。
< 28 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop