あやかし戦記 裏側の世界へようこそ

「どうしたの？そんな顔して……」

アレンがイヅナたちを見つめ、ヴィンセントが「僕たち、その三大戦闘員さんたちに助けられたんだ。それがきっかけでここに……」と口を開く。すると、アレンは「マジで！？」と驚いていた。

「三大戦闘員全員と会ったの！？一人でもレアなのに！？羨ましいなぁ〜。三人の戦い方、すごかったんだろうなぁ……」

目を輝かせるアレンに対し、ヴィンセントとレオナードはあの三人にどのように助けられたのか話していく。しかし、イヅナは惨殺という言葉しか頭に思い浮かばず、スカートを握り締めて黙っていた。

「……僕さ、兄がいたんだ。このアレス騎士団に入っていて、強くてかっこいい兄だった。アレス騎士団のことを色々知っているのも、兄が教えてくれたからなんだ。僕もこの騎士団に入って兄と一緒に戦いたい、そう思ってた。……でも、兄は妖に任務中に殺されたんだ！帰って来た兄は、誰なのかわからないくらい酷い見た目で……」

ヴィンセントとレオナードの話を聞いた後、アレンは怒りを滲ませながら話す。今にも泣き出しそうな声で「妖を許さない」と言ったその言葉は、まるで呪いの呪文のようにイヅナには感じた。