あやかし戦記 裏側の世界へようこそ

毎朝五時に起きて、この屋敷の敷地内にある山を全員で走る体力テストから一日は始まる。険しい岩がそびえ立つ場所も、ぬかるんで進みにくい場所も、とにかく走ってゴールしなければならない。ゴールできなければ失格となってしまう。

朝ご飯を食べた後は、妖に関する座学をしたり、武術を学んだりするのだが、満点かそれに近い点数でなければ失格になってしまうため、いつでも全力を出さなければならないのだ。

「妖を倒す方法は一つ。核と呼ばれる弱点を壊すんだ。核の場所は妖によって様々で、同じ血を分けた家族のような存在であったとしても、核の場所は心臓や首など違うんだよ」

エイモンが妖の弱点について話し、イヅナたちはしっかりとメモを取っていく。一日の終わりに毎回テストが行われ、点を取れなければ失格になるからだ。

「よし、座学は終わり！次の時間は格闘技を教えるから、みんな武道場に集合してね」

座学の時間が終わると、座学が少し苦手なレオナードが「ヤバい。点、取れるかな……」と疲れ切った顔を見せる。そんなレオナードにイヅナは微笑んだ。