あやかし戦記 裏側の世界へようこそ
その後は、チェルシーによる武器の扱い方の授業だった。この授業では弓や薙刀、銃に剣などを使用する。今日の授業では弓を使った。

「弓は見た目に反して力がいるから、頑張ってね」

チェルシーが弓の使い方を説明し、早速的を狙って弓を放つ。ヴィンセントとレオナードは五本ある矢を全てほぼ的の真ん中に刺すことができた。アレンとチターゼも問題ない。しかし、イヅナの放った弓はまっすぐにうまく飛んでいかない。

「ど、どうしたら……」

周りができて自分ができないと焦りが募ってくる。このまま失格になったら、と震えながら弓を構えるイヅナの手をヴィンセントが包む。

「イヅナ、深呼吸をして。弓や銃は冷静になって放たないとダメなんだ」

「ここをこうするといいぞ!」

ヴィンセントとレオナード、そしてアレンにも教えてもらい、イヅナは弓を放つ。すると、飛んでいった矢は真ん中ではなかったものの、的にきちんと刺さった。

「……よかった……」

ホッとするイヅナのことを、弓を握り締めたチターゼが睨むように見ていた。
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