あやかし戦記 裏側の世界へようこそ



夕方頃、座学のテストで今回も無事に満点を取れたイヅナはホッとしながら大広間に向かっていた。

食事はいつも、みんなで大広間で取る。試験を受けるイヅナたちだけでなく、ギルベルトたちも一緒に食べている。その時、やけにギルベルトたちから視線を感じるのだが、出される食事はどれも栄養満点でおいしく、食事の時間が楽しみだった。

いつもはヴィンセントやレオナードと一緒に大広間に向かうのだが、今日はトイレに寄って行きたかったため、二人には先に行ってもらった。

「今日のご飯は何かしら?」

ご飯のことを考えながらイヅナは歩いていく。しかし、食事のことを考えると気になることがあるのだ。

「ツヤさん、普通に私たちと同じ食事を食べてるわね」

人間を喰ったことがない、そうアレンから聞いたものの、鬼の食べるものと聞かれれば嫌でも人間と想像してしまう。しかし、ツヤはおいしそうにイヅナたちと同じメニューの食事を毎回摂っている。

「本来、食料であるはずの人をツヤさんは護ってるし、特別な妖なのかしら……」
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