あやかし戦記 裏側の世界へようこそ
チェルシーとエイモン、そしてギルベルトにも「おめでとう」と言われた後、イヅナはチェルシーに腕を引かれる。
「イヅナちゃん、こっちに来て。もう制服は届いているはずだから」
「制服?」
「アレス騎士団のみんなは、それぞれ自分に合った制服を仕立て屋さんに作ってもらうんだよ。イヅナちゃんのだけじゃなくて、レオナードくんたちのももう届いているはず!」
エイモンが言い、イヅナたちは闘技場から屋敷の中へと戻る。そして、初日にここに来た時に入ったパーティーホールへ行くと、小学生らしき小さな双子の男女が立っていた。金髪の髪に青い目をしている。
どこかツンとした男の子はピスタチオグリーンの、ニコニコと笑った女の子はサン・オレンジのオーバーオールを着ている。
「えっと……」
「アレス騎士団専属の仕立て屋、ライム。こっちの妹がキャロル。二人とも十二歳。質問したいならさっさとして」
双子の男の子ーーーライムがそう言い、キャロルが「ライム、そんなこと言っちゃダメでしょ!」と言いながらイヅナに謝る。
「この二人、十二歳だけど腕は確かだよ」
「きっと素敵な制服になっているから、楽しみね」