忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜
「……なんで、新品が……」
しかも、サイズがぴったり。
え?どういうこと?なんで私のサイズ知ってんの!?
ていうか、これいつ買ってきたの!?え、それとも家に元々あった!?
……あ、もしかして彼女……いや、彼女いるなんて聞いてないし……。
いやでも女物の下着なんてどうやって……。
頭の中がパニックになってしまったものの、元々私が着ていた服と下着はすでに洗濯中。
下着無しで服を借りるわけにもいかないし。かと言って乾燥前の服を着て帰るわけにもいかないだろう。
数分考えたものの、どうしようもないため私は用意された服をとりあえず身につける。
やはりシャツは大きすぎてもはやワンピースのよう。
……これ、いわゆる彼シャツってやつなのでは?
ふわりとフローラルの柔軟剤の香りがして、なんだか天音に優しく抱きしめられているような気がした。
思わず赤面しながらも、それを忘れるようにスウェットの紐をキツく結んだ。
シャワーに入る前、天音に"上がったらリビングに来い"と言われていたものの、脱衣所を出たはいいが場所がわからない。
確か先程まで寝ていた寝室は、脱衣所の向かい側。そして向かって右奥に明かりの付いている部屋のドアを見つけて、そっと足音を立てないように向かう。
恐る恐るドアを少しだけ開けて中を覗くように見ると、広いリビングの中央にあるソファに腰掛けた天音が、何か飲んでいるところだった。
「……ん、上がった?」
「は、はい……」
おいで、と言われておずおずとドアを開けて中に入る。
私の姿を見てどこか嬉しそうに目を細めた天音は、
「やっぱデカイな」
とシャツとスウェットのダボダボ感に微笑む。
私はその視線が恥ずかしくて、思わず下を向いた。