忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜
天音にエスコートされながら向かった先は、天音の自宅マンション。
「座ってて。今飲み物出す」
「あ、おかまいなく……」
キッチンに向かった天音を横目に、私は言われるがままソファに腰掛けた。
ふわりと揺れるシフォンワンピースを見るたびに、なんとも嬉し恥ずかしい気持ちになる。
「悪い。水しかなかった」
「気にしないでください。ありがとうございます」
緊張で酔いも覚めてしまったからか、お水がちょうど良く身体に染み渡る。
時刻はすでに二十三時をまわっていた。
お風呂に入るように促され、ありがたくいただくことにした。
その間、天音はルーティーンになっているのか、ホットミルクを作っているらしい。
天音曰く、前回コンシェルジュに私の替えの下着を頼んだ時に何着か用意してもらっていたらしく、今日も突然のお泊まりで着替えが無い私に当たり前のように新品の下着をくれた。
服は前回と同じ天音のものを借りることに。
なんだか今日はもらったり借りてばっかりで、申し訳ない気持ちになる。
湯船に張ってくれたお湯の中で足を伸ばす。
"口説き落とす"なんて宣言されたのは、生まれて初めてだった。
今思い出してもドキドキしてしまう。
しかし、今日はおそらくこの後……。
お風呂から上がった後のことを考えて、頰を真っ赤に染めた。
そのままじゃのぼせてしまいそうだったため、一度ぬるめのシャワーを浴びてから上がった。
リビングに戻ると、言っていた通りホットミルクを渡されて、それをありがたく飲む。
「やっぱりそれいいよな」
「それって?」
「唯香が俺の服着てるのって、なんか唆る」
「そっ……」
「……早くベッド行きたい」
耳元で囁かれ、思わず手で押さえる。
「ほら、俺もうヤバいんだけど」
耳を押さえる手を外されたかと思うと、そのまま天音のベルトの下に持っていかれる。
「っ!」
何も言えずに真っ赤に染まる私に、天音は一つキスを落とす。
「……今日ここに来たってことは、そういうことだって思っていいんだろ?」
至近距離で私を射抜く熱い視線に、三年前を思い出す。
返事の代わりに自らキスを求めた私を、天音は我慢できないとばかりに抱き上げて寝室に連れて行く。
ベッドに優しく寝かせられて、私の足の間に自分の身体を滑り込ませた天音は、すぐに甘いキスを降らせてきて。
柔らかい唇と手が、優しくいやらしく、私の身体を撫でるように刺激していく。
それに堪えきれない声を漏らしつつ、何度も天音にキスを求めた。
「お前……まじ、可愛すぎんだろ……」
キスの合間に囁いた声と共に弱いところを刺激されて、全身が跳ねるように喜んだ。
迫り来る快感に身を預け、私も天音が待ちきれなくて。
「お願い……来て……」
そう、ねだってしまって。
「っ……それは反則」
余裕の無い顔をした天音が、愛おしくて。
「……唯香。好きだ」
愛の言葉に、涙が滲むほどの幸せを感じながら果て、そのまま眠りに落ちた。