忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜



次の日の、朝食の時間。



「昨日の話。俺本気だから」


「……それは、えっと……」



ソファに隣同士。天音はカトラリーを置いて、私の肩に両手を置く。真剣な顔で私を見つめた。



「俺と、結婚前提で付き合ってほしい」


「……天音」


「三年前から、ずっと唯香のことが忘れられないんだ。忘れられないくらい、唯香のことが好きだ。唯香以外はもう、考えられない」



私もカトラリーを置いて、天音の手を取り、ギュッと握る。



「……私も、天音のことが好きです」



不安そうな顔が、一瞬で驚きを隠しきれない顔に変わる。



「口説き落とすなんて、必要無い。多分ずっと前から、私天音のことが好きだから」


「……唯香」


「最初は三年前のこと、ずっと忘れようって思ってた。忘れたつもりになってた。……けど、やっぱりダメで。私も、多分あの日のことが忘れられない。天音と一緒にいる時間がすごく幸せで、楽しくて。もっと天音のこと知りたい。もっと天音と一緒にいたい。……だから、よろしくお願いします」



言っているうちに恥ずかしくなってきて、照れ隠しに自分から天音に抱きつく。


それを軽々と受け止めた天音は、私をきつくきつく抱きしめてくれた。



「……今度こそ、逃がすつもりも離すつもりもねぇから」



降り注いだキスに、息を切らしながらも



「逃げないし、離れないから大丈夫です」



笑って答える。


そのまましばらく二人で笑い合いながら、愛おしい時間を過ごした。


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