忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜
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「唯香ちゃん!いらっしゃい!」
「お邪魔します」
天音と結婚前提のお付き合いを始めて、早いもので二ヶ月が経過した。
付き合い始めたと言っても天音は職業柄忙しいため、予定が合わずにデートなんて全然行けていない。
今日は梨香子さんと赤ちゃんに会いに、昼過ぎから百瀬家を訪れていた。
「でもまさか、唯香ちゃんが天音くんと付き合うなんて。それにもう同棲してるんでしょ?」
「はい。ちょうど私の住んでたアパートの更新があって。天音に"家に来い"って言われて」
「きゃー!素敵!天音くんってそんなキャラだったの!?」
興奮したようにきゃっきゃっする梨香子さんに嬉しいやら恥ずかしいやら。
梨香子さんの言う通り、私は先月から天音の住むタワマンに引っ越して、天音との結婚を前提とした新生活をスタートさせていた。
私のアパートの更新の兼ね合いももちろんだけど、それ以上に天音が"仕事で予定が合わない分、少しでも一緒にいたいから"と一緒に住もうと誘ってくれた。
傑くんにも常々セキュリティがと言われていたから、私もそれに頷いたのだ。
今日はオフだという傑くんが愛娘である凛花ちゃんを抱っこしながら
「いや本当、まさかお前と天音が付き合うとは思わなかった。結婚前提っていうのは天音らしいけどな」
と、しみじみと頷く。
「しかもあの時私たちがお互いを呼び出したことがきっかけだなんて、私たちも嬉しいわね」
「あぁ、まぁ俺はその時のことほとんど覚えてないけど」
「ふふっ、私も」
三年前に何があったかは詳しく話していないものの、二人の結婚式の日に知り合ったのがきっかけだと二人には伝えてあった。
案の定二人ともあの時のことはほとんど記憶にないらしく、私と天音を呼び出したことすら記憶が曖昧らしい。お酒の力とは怖いものだ。
でも天音とのことを梨香子さんは両手をあげて喜んでくれて、珍しく傑くんも祝ってくれて嬉しい限りだった。