置き去りにされた花嫁をこの手で幸せに
食事から戻るとお風呂に入ろうとするがここでも順番をもめた。
仕方なく平等にじゃんけんで決め私が先に入ることになった。

同じ部屋に加賀美くんがいると思うとシャワーの音さえも気になりドキドキしてくるが悟られてはダメ。
ただ、どうしても気になり私はカヌーで濡れたり汗をかいた身体を念入りに洗ってしまった。同じ部屋で臭いとだけは女として思われたくない、それだけよ、と自分を納得させるように言い訳を繰り返した。

お風呂から出ると加賀美くんと交代し、加賀美くんもお風呂に入りに行った。

なんだかスッピンを見られることになり恥ずかしい。
相部屋に関してはまぁいっか、と思っていたけどここまで考えていなかった。
パジャマ姿になることも寝てるところを見られることもあまり深く考えていなかった。
ただ、合宿みたいに同じ部屋で寝るかというくらいの考えでしかいなかった。

大人になった今となってはよく考えれば良かったと反省。
かといって加賀美くんだけを他のホテルに行かせることも、ましてや車の中で過ごさせることもできなかった。

もうなんでも言い合える仲だ。
割り切っていけばいい、そう思っていたはずだった。
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