置き去りにされた花嫁をこの手で幸せに
リノベーションの計画はかなり進み田代さんが頻繁に打ち合わせを重ねいよいよ10月、着工に入ることとなった。

私たちはデザイン画を見てとても楽しみになった。
修繕箇所は多く時間的にはもう着工しないと間に合わないであろうギリギリなラインだ。

やっとここにこぎつけ、部のみんなホッとした。
まだ始まりにしか過ぎないが動き出したことに高揚感があった。

インテリアに関しても今までのパールビレッジリゾートとは180度系統が違う。
これが吉と出るか凶と出るか分からないがゲストにとって最善を尽くすホテルでありたいという理念は変わらない。
ゲストにとって特別な1日になるように私たちは努力を惜しまない、そんな気持ちの職場に私は誇りを持っている。
だから歯を食いしばって頑張れるんだろう。

この企画に私が参加し2ヶ月が経とうとしている。いつものように加賀美くんに何度ダメ出しされたか分からない。同期なのにダメ出しされてしまう自分に何度も落ち込んだ。
でも私は持ち前のガッツと明るさで加賀美くんをギャフンと言わせるため頑張ってきた。
加賀美くんのことだから絶対にギャフンということはないだろう。卒なく、なんでもこなせる加賀美くんにできないことなんてないんじゃないかと思う。それに加えてあの容姿。この人にそこまでしたら私の方が性悪だといわれかねない。でも私の心の中ではいつかギャフンと言わせてやると誓った。

そこまでして頑張ったものがようやく着工という形で針が進み出した。
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