妄想ファンタスティック
図書館の記憶
学生時代の同窓会という事で「一緒に行こうよ」と誘われ、待合わせは何故か学校の図書館になった。約束の時間、図書館の前で待っていても一向に彼女が来ない。卒業後ちょこちょこ顔を合わせていたものの今回はいつ以来だろうかと感慨に耽る刹那、ハッと気が付いた。まさかと思う心と確信に満ちた心の間で揺れ動く気持ちの高ぶりを抑えながら階段を上がり閲覧室へ向かう。学生時代から決まってテーブルの端の席で本を読んだり書き物をしていた彼女。そして今日も、彼女はそこにいた。「遅いよ。あの頃からずっと待ってたんだから。」