何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。
「ハハッ、確かに俺もそうだわ。メシ食ったらまた来週までさよならかー……とか無意識に考えちまう」
もうさよならしなくていいんだよな。しみじみとした呟きにそっと頷くと、隼也はテレビに夢中な隼輔を抱っこしてダイニングに設置した隼輔用の椅子に座らせた。
「おててぱっちん、いただきまーす!」
「いただきまーす」
「どうぞ」
上手に両手を合わせた隼輔はキッズプレートで出した夕食に目をキラキラさせて食べ進める。
その様子を笑いながら見つめつつ、私たちも箸を動かす。
「おいしー!まま、ありあとー!」
「どういたしまして。いっぱい食べてね!」
「うん!ぱぱも!」
「あぁ。いっぱい食べような」
今にもこぼしそうな危ういバランスで隼也におかずを分けてあげようとしたり、好きなおかずばっかり食べてまた隼也にブロッコリーを食べるように諭されたり。
二人から三人になった食卓はとても賑やかで楽しい。
「舞花、ちょっとこっち」
「ん?どうしたの?」
「ちょっとここ座って」
寝る前に隼也にソファに座らされて、首を傾げる。