何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。
Chapter4
二人の時間
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「じゃあ、隼輔のことよろしくね」
「まかせて。帰りは夜中になっちゃうのよね?」
「うん。ごめんね。隼輔が寝た後になっちゃうから、明日の朝に迎えに来るよ」
「そうね。でも接待なら夜中まででしょう?そんなに急ぐ必要ないからちゃんと寝てから来なさい。昼過ぎでいいから」
「……ありがと。あ、これ、隼輔のオムツとか着替えとか好きなおやつとか、いろいろ入ってるから」
「わかった。心配しなくても大丈夫よ。何かあったらすぐに連絡するから、行っておいで」
「……ありがとう、お母さん」
隼也と再会してプロポーズをされた日から、一ヶ月が経過していた。
私と隼輔の生活は相変わらずで、忙しい毎日の中でもできるだけ様々な経験をさせたくて、休みの日はなるべく遊びに出かけたりしている。
そんな日常の中に、最近は隼也と出掛ける機会も増えてきた。
隼輔が喜ぶかな、と動物園や水族館、隼輔が大好きなヒーローショーを遊園地まで見に行ったり。
会うたびに隼輔にプレゼントを持って行くようになった隼也。その甲斐あってか最近では「しゅーや!しゅーや!」と会う日を心待ちにしているよう。