何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。



隼也もそこまでお酒に強いわけじゃないのに、さすがにお父さんのお酌を断ることはできなかったようで、朝起きて隼輔と一緒にリビングに向かうと二人揃ったダイニングで寝落ちしていたのには笑ってしまった。


お母さんと一緒に二人を叩き起こし、隼也の酔いが覚めるまでダラダラと過ごして午後に隼也の運転で帰った。


隼輔は丸一日隼也と一緒だったからか、離れるのが寂しいようでずっと「しゅーや!」と手を伸ばして泣いていた。


二歳の隼輔に仕事なんだから仕方ないと言ったところで理解できるわけもない。


なんとか宥めているうちに泣き疲れて眠ってしまった隼輔。


その寝顔を見て、考える。



……隼輔は、どう思ってるのかな。


< 88 / 116 >

この作品をシェア

pagetop