何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。
「一人で勝手に出産して、今更このような形で報告することになってしまって申し訳ございません」
「そんなこと気にしないで。舞花ちゃんは何も悪くないじゃない。むしろ隼也がごめんなさいね?無責任にも舞花ちゃんが一番大変な時に一人にしてしまって。私たちもびっくりしたけど、こんな可愛い孫ができて嬉しいわ。舞花ちゃん、産んでくれてありがとう」
「……ありがとうございます」
隼也と同じことを言ってくれることが嬉しくて、つい涙腺が緩みそうになる。
それをグッと堪えてお礼を言うと、おじさんが口を開いた。
「隼也にもキツく言っておいたから、これからは何も心配しなくていいからね。それよりも舞花ちゃんのご両親にこちらから謝罪とご挨拶に伺いたいんだが、都合はどうだろうか」
「そんな、謝罪なんて」
「いや、人様の大切なお嬢さんに苦労をかけてしまった愚息の責任は育てた私たちにもある。謝罪させて欲しいんだ」
隼也が言っていた通り、二人はとても責任を感じてしまっているようで。
そんなこと気にしなくていいのに。
「……両親に聞いてみますね」
「ありがとう」
その後もおじさんとおばさんは終始優しくて、私と隼輔を温かく迎えてくれた。
いずれは結婚も考えているという話にも快く頷いてくれた。
そのためにまずは両家の顔合わせも兼ねて近日中に場を設けることに。
そんな話をしている途中で隼輔が起きて、二人を見て驚いたのか私に抱きついてくる。