何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。



おじいちゃんとおばあちゃんだよと伝えると最初は不安そうだったものの、お絵かきやねんどで一緒に遊んでくれるとわかると自ら抱っこされにいくくらいにすぐ懐いていた。


帰る頃には「じーちゃ、ばーちゃ!まだあそぶ!ばいばいイヤ!」と泣いてぐずり、玄関から出るのが大変だった。


その後寮まで送ってもらい車を降りようとしたところ、隼輔がこれでもかと言うほどに泣いて隼也と離れるのを嫌がってしまったため、急遽荷物を持ってそのまま隼也の家へ向かうことに。



「ここまで来ておいてアレだけど、泊まっちゃって本当に良かったの……?」


「大丈夫。それに俺も二人と一緒にいられて嬉しいし」



本当に嬉しそうに笑って隼輔の頭を撫でる隼也に、ホッと安心して息を吐く。



「しゅーや!おえかき!」


「あぁ、お絵描きするか」



二人ともとても楽しそうで、つい最近初めて顔を合わせたとは思えないほどに仲が良い。
親子とはそういうものなのだろうか。


やはり何か目には見えないものを隼輔が感じ取っているのだろうか。そう思ってしまうくらい今でもこんなに早く打ち解けたことに驚いてしまう。


隼也の家のキッチンを借りてささっと料理を作り振る舞うと、二人で並んで美味しそうにご飯も食べてくれた。


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