猫目先輩の甘い眼差し
「これ何あげてるの? キャベツ? レタス? それとも白菜?」
「いやぁ、そこまでは……」
そういえば、両親の愛犬の話をするって、まめおの話をした時に言ったんだった。
まだ犬種しか教えてなかったから、もしかしたら聞きにきたのかも。
「ちょっと雷夜、今私が話してるんだから邪魔しないでよ」
「いいだろ別に。同じ犬グループなんだし」
「そうだけど! 私は今日、動画見せてもらうって約束してたの!」
「約束? それなら先月からお願いしてた俺のほうが前なんだけど」
後輩の私を挟んで言い合いし始めた先輩2人。
もう、こんな入口付近で争ってたら……。
「お2人さん、ケンカするなら外でやってね」
予想通り、部長が仲裁にやってきた。
ニコニコしているが、目は笑っておらず、心なしか圧を感じる。
言い返そうとしていた2人も、まずいと思ったのか、途端に静かに。
まだ叱っている姿しか見たことないけど、本気で怒ったらかなり怖そう。
返事せず放置したの、怒ってるかな……。
「お返事、遅れてすみません」
「ううん。俺のほうこそ。いきなり誘っちゃってごめんね」