猫目先輩の甘い眼差し
部活終わりの駐輪場で、一ノ瀬先輩に胸の内を伝えた。
「乗ってみたい気持ちはあるんですけど、自転車と違って速度も出るので……」
「確かに。自動車並みだもんね」
校門に向かい、学校を後にする。
返事が来なくて怒ったというより、むしろ、気持ち悪がられたかなと心配していたらしい。
半日以上も不安にさせてしまって申し訳ない。
「郁海も言った通り、専門的な知識がなくても乗れるから大丈夫だよ」
「そうですか……?」
「うん。準備する物とか、気をつけることはあるけどね。気になることがあるならどんどん聞いて!」
恐怖心を和らげようと気遣う姿に感動するも。
この流れだともしや……。
「準備する物って、バイク専用の物じゃないとダメですか?」
「ううん! 服は普段着でも大丈夫。ヘルメットとかはこっちで準備するから気にしなくていいよ」
やっぱり、どこかに行く流れだよね⁉
ただ乗るだけなら、ヘルメットいらないし!
顔が熱くなると共に、心拍数が上がっていく。
部長と2人でお出かけ。
これって、デート、なのかな……?