猫目先輩の甘い眼差し
✾✾



「市瀬さん、たまごサンドとツナサンド、どっちがいい?」

「んー、たまごサンドで!」

「オッケー。お茶持ってきたから、飲みたかったら言ってね」

「ありがとうございます!」



休憩を挟み、走ること1時間。

コンビニにて昼食を取ることに。



「どう? 少し慣れた?」

「はい。恐怖感はだいぶ和らぎました」



たまごサンドを受け取り、開封する。


先程回想した通り、通学で毎回車道を走っているので、大きい車との接近はそこまで怖くなかった。

ビックリしたのも、速さと受ける風の強さくらい。



「良かった。お尻とか腰は痛くない?」

「全然! むしろ心地良かったです!」



初めて乗る私を気遣って、信号待ち中に何度か声をかけてくれた。

他にも、車との距離を広く取ってくれて……おかげで安心して景色を楽しめた。


バイク乗りの人からしたら当たり前のことなのかもしれないけど、嬉しかったな。



「これからどこに行くんですか?」

「それは秘密」

「ええっ⁉」

「ウソウソ。冗談。俺が前住んでた場所に行く予定だよ」
< 117 / 312 >

この作品をシェア

pagetop