猫目先輩の甘い眼差し


えへへと口元が緩んだ。


新学期が始まって2ヶ月。

ガチガチに緊張してて、敬語を使いまくってた月香ちゃんが、自分から輪の中に……。

なんて凄まじい成長速度なんだ……。



✾✾



──キーンコーンカーンコーン……。


全ての授業が終わり、放課後を告げるチャイムが校内に鳴り響く。



「失礼しまーす!」

「あ、来た来た」



ぞろぞろとクラスメイトが出ていくドアから、笹森くんがひょこっと顔を出した。


毎週月曜日と金曜日に、部活にお邪魔しているらしいのだけど。

今日はパソコン部もお休みだったようで、暇を持て余していたとのこと。



「さ、笹森くん、久しぶりっ」

「楠木さん久しぶり〜! 今日はよろしくね!」



外がザーザー降りなのにも関わらず、元気いっぱいな挨拶。

月香ちゃんも、数ヶ月ぶりに顔を合わせたのもあり、少し人見知りが発動してるっぽい。

だけど。



「あの、笹森くんって、確か数学得意だったよね? 教えてほしいところがあるんだけど……いい?」

「いいよ〜。任せて!」
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