猫目先輩の甘い眼差し
尾行
◇◇



梅雨が明けた、7月中旬の朝。

トラ吉色のカーディガンに身を包んだ私は、ぼんやりと黒板を眺めていた。



「この中から、希望する競技を3つ選んでください。種目については、決まった後にまた話します」



そう説明しながら、先生は詳細が書かれたプリントを配り始めた。

樫尾くんから回ってきた紙を受け取り、目を通す。


毎年1学期末に行われる、夏のスポーツ大会。
別名、夏の運動会。

クラス別対抗で、文化祭に並ぶくらい盛り上がりを見せる行事の1つだ。



「世蘭ちゃんは何にする?」

「バレーボールとバドミントンかな。あと1個はまだ」



授業の準備をしながら月香ちゃんと話し合う。



「私も同じ! 去年バスケで痛い思いしたから、今年は負担が少ないのがいいなぁ」

「ケガしたの?」

「ううん。ミス連発しちゃったの」



苦笑いしている月香ちゃん。


ジャンプボールでなかなかボールが取れず。
ゴール下で待機していたものの、なかなかシュートを決めることができず。

結果、初戦敗退したのだと。

背が高いのも色々大変なんだなぁ。
< 150 / 312 >

この作品をシェア

pagetop