猫目先輩の甘い眼差し
キョロキョロしていると、早く早くと言わんばかりに手招きされた。
「誕生石ネックレス……?」
「うん! 私もね、同じ物持ってるの! これ!」
月香ちゃんが指を差したのは、小粒の赤い石が付いたネックレス。
これがルビーかぁ。実物初めて見た。すごく綺麗。
確かお母さんからの貰い物なんだっけ。
「実は、お母さんもお父さんも、ここのネックレス持ってるんだ」
「じゃあ家族お揃いなの?」
「うん。みんな同じ月生まれなの」
「えー! すごいね!」
家族3人、上旬、中旬、下旬に分かれていて、毎年この月は晩ご飯がちょっぴり豪華なんだそう。
珍しいなぁと思いながら、自分の誕生石も探す。
サファイアは……あった!
うわっ! 高っ!
チラッと値札を見ると、5桁の数字が並んでいた。
これは、お年玉全額使っても、買えるかギリギリのお値段。
そうだよね。これだけ綺麗ならそれなりにするよね。
とても素敵だけど、カーディガン買ってもらったばかりだし。今年は別の物を頼もう……。