猫目先輩の甘い眼差し
申し訳なさそうに声をしぼませた月香ちゃん。
「そうだけど、私とは学校でも会えるんだから! 夏休みだってあるし! 悪化させないためにも早く行ってあげて!」
「っ……ごめんね」
早く帰るよう、半ば強引に背中を押して外に出る。
体調悪い時に独りぼっちは苦しいよ。誰も助ける人がいないんだもん。
後日埋め合わせすると約束を交わし、出入口で彼女を見送った。
さて、これからどうしようか。
まだ2時過ぎ。帰るには早いし、炎天下の中、数十分も自転車を漕ぎたくない。
せっかく来たし、1人で回りますか。
踵を返して再び店内へ。
今日は平日だけど、何かイベントがあってないか見てみよう。
「あれれ? 市瀬さん?」
「目黒先輩……!」
サービスカウンター前にある立てかけ看板を見ていたら、両手に荷物を持った目黒先輩に声をかけられた。
「奇遇だね〜。1人?」
「はい。さっきまで友達といたんですけど、急用が入っちゃって。先輩もですか?」
「うん。ちょっと買い物に」