猫目先輩の甘い眼差し


「もしかしてあの2人……付き合ってるんですか?」

「はぁ⁉」



恐る恐る尋ねると、キレ気味に返答された。

目は隠されているものの、眉毛が吊り上がっている。



「ないないない! あんなゴリラコブラに彼氏なんているわけねーから!」

「そうなんですか……?」

「うん! あいつゴリラと愛犬命だし。零士も、彼女がいるって話聞いたことねーから」



激しく手を振って否定している。

コブラだけだったのに、ゴリラまで言うなんて。
相当頭にきたのだろうか……。



「あっ、出てきた。追うよ」

「は、はいっ」



サングラスを戻して、小走りで後を追う。



「ったく、敵と仲良くしやがって……」

「敵って……別にいいじゃないですか。クラスメイトなんですし」

「そうだけど、コソコソ隠してたのが気に入らねーんだよ」



という会話を、物陰に隠れながらコソコソする私達。


今のところ、特に変わった様子はなし。
雰囲気も、部活動の時と同じでワイワイした印象。

だけど……。



「朝日先輩って、ものすごくスタイルいいですよね……」
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