猫目先輩の甘い眼差し
黒猫の部長さん
◇◇



トラ吉脱走事件から2日が経過した、月曜日の朝。



「本当、終始バタバタしてたよ」

「大変だったね……。でも無事に戻ってきて良かった」



登校してきた月香ちゃんに一昨日の出来事を話した。


あの時は一気に血の気が引いて、軽くパニックになってた。お父さんがいなかったら外で取り乱してたと思う。


ちなみに、病院には間に合った。

お兄さんと入れ替わるようにお父さんがやってきて、その場でお母さんに連絡して迎えにきてもらったんだ。

ちょうど病院にキャンセルの電話をかけるところだったみたいで、ギリギリセーフ。


外を歩き回ったからケガしてないか心配だったけど、どこも異常なし。健康状態も良好とのこと。

助けてくれたお兄さんには感謝してもしきれない。



「それで昨日、家族みんなで柵を買いに行ったんだよね。これくらいの」

「えっ! そんな大きいのを⁉」

「うん。猫ちゃん、1メートルは軽く跳ぶし。運動量が多い子もいるから1番大きいのを買ったよ」



事件があった日の夜、家族会議を開き、1時間話し合った。

その結果、リビングとキッチンを中心に柵を設置することに。
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