猫目先輩の甘い眼差し


勝手に人のせいにしていると、教室のドアが開いた。



「おはよう、お2人さん」

「おはよう!」

「おはよう……」



毎度のごとく、チャイムが鳴るギリギリに登校してきた樫尾くん。



「また浮かない顔してるけど……」

「うん……ちょっと色々あって」



そういえば、樫尾くんも目黒先輩と同じく、昔から先輩とちょくちょく付き合いがあったんだっけ。

あまり覚えてないけど、引っ越した後も、数ヶ月に1回は会ってたって。

何か知ってるかな。


ホームルームが終わった後、樫尾くんにも相談してみた。



「あー、それ、俺も言われた」

「先約があるからって?」

「うん」



なんと、樫尾くんもその日、一ノ瀬先輩と遊びたくて誘っていたんだそう。

しかし、目黒先輩と同様、先約があるからと断られてしまった。

さらに。



「それで、俺も急遽、バイトで欠員が出たから、駅に向かってて。そしたら、零士さんが朝日先輩をバイクに乗せてたんだよ」



横断歩道で信号待ち中、駅前に見覚えのあるバイクを見つけて。
しばらくしたら朝日先輩がやってきたんだと。
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