猫目先輩の甘い眼差し
謝罪しようと口を開きかけたその時。
「めちゃめちゃ意外。っていうか、俺と仲間だったんだ」
「へ?」
仲間? どういうこと?
「先輩も神経質なんですか?」
「いやいや。俺も隠してた一面があって。実は俺、昔すっげーチビで。今は好きだけど、当時は大型犬が苦手だったんだよ。泣いて親の背中に隠れてたくらい」
「ええっ⁉」
目黒先輩以上に目を丸く見開いた。
学年1小さかったのは知ってるけど、あんなに溺愛している大型犬が苦手なのは初めて知った。
成長と共に怖くなくなったのは納得だけど、一体何があって幼なじみを脅すような性格になったんだろう……。
「上手く言えねーけど、弱虫だった俺もこうやって強く生きてるんだから、市瀬さんも堂々としていいんだよ!」
「は、はい……」
引かれるどころか、励まされてしまった。
なんだかんだ対立してるけど、やっぱり似た者同士なんだなぁ。
✾✾
「はいどうぞ」
「ありがとうございます」
生物室前の廊下で目黒先輩から荷物を受け取った。