猫目先輩の甘い眼差し
その後、先制点を取った私達は、勢いに乗って次々と点をゲット。
相手チームに8点の差をつけて勝利した。
クラスメイト達と喜びを分かち合いながらコートを後にする。
「月香ちゃん、腕は大丈夫?」
「うん……なんとか」
震える声で呟き、両腕を擦る月香ちゃん。
腕は赤くなっていて、目も少し潤んでいる。
「本っ当、冗談抜きで殺されるかと思った。1試合目でこれはきついよ……」
怖がる彼女の背中を擦り、無言で慰める。
朝イチから、しかも序盤からあんな強烈な球を受けたなら、そりゃ涙目にもなるよね……。
水分補給をして、壁に貼られた試合表を確認する。
私達がいるのはCブロック。
まずは予選を行い、各ブロックの代表、準々決勝に進むチームを決める。
前回はここで負けちゃったから、次も勝ってコマを進めたい。
「よっ、お2人さん」
「あっ、樫尾くん」
次の対戦相手をチェックしていると、体操服姿の樫尾くんが出入口の外から顔を覗かせた。