猫目先輩の甘い眼差し
「うわ、どうしよう。めちゃめちゃ嬉しい。これ現実だよな? まさかドッキリじゃないよね?」
「ちょっ、なんでドッキリなんですか。先輩が先に言ったのに。夢じゃないですよ、現実です」
落ち着かせようと花束を顔に近づけた。
予想を遥かに上回る反応に、溢れそうになっていた涙が引っ込んでしまった。
先輩がこんなにベラベラしゃべってるの、動物の話以外で初めてみた……。
いくら嬉しいからって、こんなに口が止まらなくなること、ある⁉
なんか聞いててこっちが恥ずかしくなってくるんだけど……!
「落ち着きましたか?」
「……うん」
花の匂いで現実だと認識させ、ようやく静かに。
さすが、目黒先輩の幼なじみ。
改めてギャップの強さを思い知ったよ。
「うるさくしてごめんね。本当に嬉しくて。ありがとう」
「私こそ。ありがとうございます」
私も最初は、これは夢なんじゃないかと疑った。だけど、現実なんだよね。
視線を絡ませて笑い合いながら、両想いになれた嬉しさを噛みしめた。