猫目先輩の甘い眼差し


朝日先輩とは、あれから1度も顔を合わせていない。

だけど、今朝。


【スポーツ大会頑張ろうね】
【こないだはグイグイ迫っちゃってごめんね】

というメッセージが来ていた。


直接会って話したかったけど、バタバタしてて時間が取れなかったので、明日学校が終わった後に話すつもりでいる。



「秘密にしてた理由は2つあって。1つが、進路の相談。で、2つ目が、雷夜についての相談」

「目黒先輩の?」

「うん。正直、進路相談はおまけみたいな感じで。バイクに乗ったのも、ショッピングモールに行ったのも、全部雷夜関連。朝日さん、雷夜に片想いしてるから」

「ええっ⁉」



並べられた言葉よりも、最後の言葉に驚いた。


ほぼ毎回、顔を合わせる度に何かしら衝突している目黒先輩のことが好き……⁉

そっか……。あんなに楽しそうだったのは、好きな人のことを考えていたからだったんだ。



「だから口止めしてたんですね」

「そうそう。あ、これ、雷夜には内緒にしててね」

「もちろんです。心の奥に秘めておきます」
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