猫目先輩の甘い眼差し


朝日先輩の恋心を守るため、絶対口外しないと固く誓った。


じゃあ今までの態度は、照れ隠しだったのかな。

好きな人に対して素直になれなくて、つい意地悪しちゃうみたいな。


だとしたら、目黒先輩は……?


今思えば、不機嫌そうな顔でブツブツと、きつい口調で呟いていた。

しかも、コブラにゴリラまで付けて。

本当に仲が悪いなら、嫌いなら、尾行なんてせずに無視するはずだよね?


……いや、まさか。

やきもちを妬いてそうな感じはあったけど、単に仲間外れにされたことに怒っていただけだろう。



「市瀬さんに話すねって言ったから、今後相談を持ちかけられるかもしれないけど、温かく見守ってあげてね」

「はいっ」



ということは、明日、早速何か報告されたりするのかな。

上手くアドバイスができるか不安だけど、さらに仲良くなれそうだ。



歩き続けて、別れ道の交差点にやってきた。



「あのさ、この際、呼び方変えない?」

「それは、下の名前で呼び合おうってことですか?」

「うん。周りが聞いたらややこしいかなって」
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