猫目先輩の甘い眼差し
ポソッと呟いてスマホに視線を戻す。
種類がわかると範囲が絞れて、失敗する確率は減る。
でも、それだと逆に期待が高まりそうで、よりプレッシャーがかかりそう。
朝日さんみたいに強いハートを持つタイプじゃないから、がっかりされた時のショックに耐えきれるかが問題。
物をよく贈る兄ちゃんと姉ちゃんにコツを聞いてみようか……。
「そんな深刻な顔しなくても……。今日、学校終わったら一緒に出かけるんでしょ? 色んなお店回って、好みを探ってみたら?」
「……そうだね」
ゆっくり視線を上げて答えると、朝日さんの口角が緩やかな弧を描いた。
今日の放課後は、付き合って初めてのデートに行くことになっている。もちろん、お昼ご飯も一緒に食べる予定。
まだ来たばかりだけど、早く学校終わらないかな。早く会いたい。
──キーンコーンカーンコーン……。
ホームルームが終わり、放課後を告げるチャイムが鳴った。
朝日さんにまたねと挨拶をして、自転車置き場へ。
いつもは正門に向かうのだが、今日はこのままショッピングモールに行くので裏門に向かう。