猫目先輩の甘い眼差し
数十分後。
お腹を満たし、いくつかお店を回った俺達は、1階にあるアクセサリーショップに入った。
「ここ、友達にオススメだよって教えてもらったんです」
「へぇ〜。キラキラしてて綺麗だね」
説明によると、俺が尾行された日、友達と一緒にいて、その時に教えてもらったのだそう。
その後、友達が急用で帰り、1人でブラブラしていたら、雷夜が声をかけて……とのこと。
本当、偶然に偶然が重なりまくっててすごいな。
俺もまさか、あの場に2人も来てただなんて思わなかったもん。
「どんなのが好きなの?」
「普段あまりアクセサリーを付けないので、特には…………あっ」
頭を捻らせた世蘭ちゃんが、何かを見つけたように奥に向かって歩き出した。
「これ! 友達に教えてもらったんですよ! 誕生石のネックレスです!」
「誕生石?」
売り場に置かれたポップに目を通す。
誕生月ごとに石の名前が書かれていて、その下に小さく説明も書かれている。
石の名前は何個か知っていたけれど、月ごとに当てはまる石があるのは初めて知った。