猫目先輩の甘い眼差し


「それでも、プレッシャーをかけてしまいました」

「いやいや。それだけ世蘭ちゃんのことを大切に思ってるわけでしょ? 当然だよ」



余裕たっぷりの微笑み。
またも器の広さを見せつけられた。

交際を始めてから、前よりだいぶ距離が近づいたかなと思ってたけど……やっぱり敵わないや。



パーティーの準備をするべく、零士先輩とは昇降口にて一旦お別れ。

教室には行かず、被服室へ向かう。



「失礼します」

「あ! 来た来た!」



ドアを開けると、真っ赤なドレスに身を包んだ朝日先輩が駆け寄ってきた。


巻き髪の隙間から見えた、綺麗なデコルテ。
ラメを付けているのか、部屋の明かりに反射してキラキラしている。

足元もハイヒールで、美脚効果抜群。


少しメイクしてるのかな? 普段に増して色っぽい気がする。



「先輩、すごく綺麗です」

「ありがとう! さ、世蘭ちゃんも大人の女性に変身するよ!」



クイッと手を引かれて、きらびやかなドレスが並ぶ準備室の中へ。

衣装に着替え、ヘアメイクをすること数十分。



「おっとっと……」

「大丈夫? ゆっくりでいいよ」
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