猫目先輩の甘い眼差し
甘えん坊な黒猫さん
◇◇
月日は流れ、2月下旬。
学年末テストを終えて帰宅した私は、全身鏡の前に立って悩んでいた。
「うーん、白のほうがいいかな……」
茶色と白色のトップスを手に取り、鏡の前で当てる。
今、何をしているのかというと、これから外出するため、着ていく服を選んでいるのだ。
ベッドの上には、トップスとボトムスがたくさん。
なぜこんなにも大量に服を引っ張り出したのか。
それは……。
──ピーンポーン。
鏡の前で全身を確認していると、インターホンが鳴った。
「世蘭ーっ! 一ノ瀬くん来たよー!」
「はーい」
下にいる母に返事をし、持ち物を確認して部屋を後にした。
急ぎ足で階段を下りて玄関へ。
「お待たせしました。お迎えありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ、時間作ってくれてありがとね」
ドアを開けると、ピカピカに磨かれたヘルメットを被った零士先輩の姿が目に飛び込んできた。
そのすぐ後ろには、青空の下、光り輝いている青いバイクも。
そう。これから零士先輩と一緒にお出かけするの。
しかも行き先は──。
「お家の人は、お母さんだけですか?」
「ううん。弟もちょうどテストだったから、多分いると思う」
月日は流れ、2月下旬。
学年末テストを終えて帰宅した私は、全身鏡の前に立って悩んでいた。
「うーん、白のほうがいいかな……」
茶色と白色のトップスを手に取り、鏡の前で当てる。
今、何をしているのかというと、これから外出するため、着ていく服を選んでいるのだ。
ベッドの上には、トップスとボトムスがたくさん。
なぜこんなにも大量に服を引っ張り出したのか。
それは……。
──ピーンポーン。
鏡の前で全身を確認していると、インターホンが鳴った。
「世蘭ーっ! 一ノ瀬くん来たよー!」
「はーい」
下にいる母に返事をし、持ち物を確認して部屋を後にした。
急ぎ足で階段を下りて玄関へ。
「お待たせしました。お迎えありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ、時間作ってくれてありがとね」
ドアを開けると、ピカピカに磨かれたヘルメットを被った零士先輩の姿が目に飛び込んできた。
そのすぐ後ろには、青空の下、光り輝いている青いバイクも。
そう。これから零士先輩と一緒にお出かけするの。
しかも行き先は──。
「お家の人は、お母さんだけですか?」
「ううん。弟もちょうどテストだったから、多分いると思う」