猫目先輩の甘い眼差し
全身で先輩の体温を感じていると。
「世蘭ちゃん、好きだよ」
聞き覚えのある、愛の言葉が耳元で響いた。
「私も、零士先輩が好きです」
自分も同じように愛を伝えて体を離すと、切れ長の大きな目が緩やかな弧を描いていた。
視線を絡ませること、数秒。
伏し目がちになった彼の顔が近づき、目を閉じた直後、お互いの唇が触れ合った。
「次はここ」
「えっ? やっ……」
唇が離れたかと思えば、髪の毛をかけ分けて、今度は首筋に。
「ダメっ、そこ見えちゃう」
「大丈夫。付けないから」
キスマークは付けないと言い張る先輩だけど。
「っ……はぁっ……」
休む暇もなく、次々に落とされる甘い熱。
口は塞がれていないのに、息が上がる。
片手は先輩の体を掴み、もう片方は後ろについて必死に耐える。
しかし、2人分の重みを、腕1本で支えるなんて到底無理なわけで。
ガクガク震える腕は、もう既に限界寸前だった。
無理っ、倒れちゃう……っ。
──コンコンコン。
「れい兄、世蘭さん、お菓子持ってきたよー」